早稲田大学
電子署名の活用で大学運営業務のトランスフォーメーションを実践する早稲田大学
約1/2 契約締結にかかる時間(調達契約)
海外の英語学校の教育環境を日本で提供し、「毎日英語に没入できる」「世界基準の英語教育を受けられる」「国内外の高校・大学に進学できる」を国内において一般化することをミッションとする株式会社アルプロス。短期集中に特化したプログラムを提供している同校では、毎月、3ヶ月毎といったように頻繁に受講生との間で契約書が交わされており、契約に関わる事務処理が負担となっていました。こうした課題を解決するために、2019年から契約書の電子化に取り組み、ドキュサインの電子署名によってほぼ100%の電子契約化を実現しています。
ドキュサインの電子署名を導入する前の課題について、アルプロスのカウンセラー 兼 業務管理担当である小山 恒平氏は次のように振り返ります。「電子署名を導入する以前、当校ではカウンセラーと呼ばれる担当者が、一人ひとりの生徒さんの担当として、コースの選定から申込み、入学後のサポートまですべてを担っていました。そうした業務の一環で、受講を決めた生徒さんには手書きの申込書を郵送していました。申込書は3枚綴りのカーボン式コピーで、書き損じや計算ミスがあると修正に手間がかかり、また書類を郵送していたので時間もコストもかかっていました。」
海外留学や外資系企業への転職など、さまざまな目的で英語力を短期間で高めたい学生や社会人の多くが、同校のプログラムを活用しています。小山氏は「一般的な英会話スクールですと、月謝制や年間契約が中心で、生徒さんと取り交わす契約書の数はそれほど多くはないと思います。それに対して、当校は1ヶ月から半年程度の短期集中のコースが中心ですので、必然的に契約の数が多くなり、契約書の作成が大きな負担になっていました。現場からは、契約の電子化を望む意見も出ていました。そこで、社長が中心となって契約を電子化するためのソリューションをリサーチし始めました」と導入の経緯を説明します。
受講する生徒との契約を電子化するプロジェクトがスタートすると、しばらくして電子署名ソリューションの候補があがりました。小山氏は「カウンセラーの業務が多岐に渡っていたため、効率化を図るために、現場レベルで電子化を進めたい、という要望があがっていました。一方で、実際に契約を電子化できるのかどうか、電子契約を希望しない生徒さんがいた場合はどう対応するべきか、などの懸念点もありました。また、電子署名を導入した際の業務フローや契約書の管理方法についても見直す必要がありました。そこで、カウンセラーだった私が電子契約を推進する担当者に選ばれて、実際の課題を解決していくことになりました」と話します。
「例えば、当校を受講する生徒さんの中には未成年の学生も多いので、保護者からの同意が必要になります。こうした場合の運用について、ドキュサインの担当者からは受信者の役割を設定する方法を教えてもらいました。具体的には、保護者に対しては [署名が必要] 、(未成年の)生徒さんには [文書のコピーを受信] という役割を設定します。こうすることで、保護者からは確実に署名をもらうことができ、生徒さんは契約の状況を把握することができます。その他にも、導入段階で数多くの疑問や課題をドキュサインに問い合わせましたが、ひとつひとつ丁寧に応えていただき、すべての問題をクリアにして、安心して電子署名を導入することができました」と小山氏はドキュサインの対応を評価します。
ドキュサインの電子署名を導入して電子契約化を実現させた成果について、小山氏は「約2年ほどドキュサインを利用していますが、ごく僅かな生徒さんを除いて、ほぼ100%に近い利用率を達成しています。紙と郵送だった頃と比べると、ミスが減り遅延も改善されました。契約締結までの期間も短縮し、直前の申込みでも契約手続きに時間がかからないので、生徒さんはすぐに授業に参加することができます。また、ドキュサインの場合、通知が届くので、署名依頼のメールを開封したか、署名が完了したかなど、リアルタイムでステータスが確認できるのも便利です。開封していない生徒さんの中には、メールが迷惑メールに振り分けられてしまっているケースも多く、そうしたトラブルもすぐに察知できるようになりました」と語ります。受講生宛に送る書類には、利用規約、見積書、契約書が含まれますが、同校ではこれらをまとめてメールで送信しています。ドキュサインの電子署名はエンベロープ(電子封筒)単位で書類を送ることができ、PDFだけでなく、Microsoft WordやExcel、画像ファイルなど、さまざまな形式のファイルを一つのエンベロープに含めることができます。
その他に、解約時の返金に関する書類も電子化しました。さらに「当初は生徒さんだけでしたが、最近では先生や非常勤講師との契約にもドキュサインを使うようになりました。当校の契約に関する業務のほぼすべてが、ドキュサインで電子化しました」と小山氏は活用の広がりにも触れます。
今後については「現状の運用には満足していますが、顧客管理ツールで作成した契約書のPDFを、より効率よく効果的にドキュサインと連携できないか検討しています。その可能性や方法についても、ドキュサインからサポートを受けながら、対応していけたらと考えています」と小山氏は展望を語ります。
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