費用対効果と柔軟性が決め手に。電子署名で紙による煩雑なプロセスを簡素化
不動産賃貸借契約の際、これまでは家賃滞納のリスクに備えるため入居者に連帯保証人を立ててもらうことが一般的でしたが、近年、連帯保証人の代替として「家賃保証サービス」の利用が増えています。プラザ賃貸管理保証株式会社は、この賃貸物件向けの家賃保証サービスを10年前から提供しています。
民法改正で増える家賃保証サービスへのニーズ
2020年4月1日施行の改正民法により、不動産の賃貸借契約において、連帯保証人の保証金額の極度額が設けられることになり、家賃保証サービスはますます注目を集めています。ところがその契約は、複数の契約書を複数の関係者で署名・捺印を行わなければならない、極めて煩雑かつ時間を要するものです。
実際には、家賃保証の契約は賃貸借保証委託契約(家賃保証会社と入居者が取り交わす契約)と、賃貸借保証契約(家賃保証会社と不動産物件オーナーが取り交す契約)の2つの家賃保証契約を、3者で一度に取り交わします。そしてこの家賃保証サービスに入ることで、入居者の怪我、事故、失職などの不慮の事態で家賃支払いが遅延した場合などに、家賃保証会社が家賃を立て替えてオーナーに支払うことでオーナーはリスクを回避できます。
煩雑な契約プロセスをデジタル化することで、3者全員に大きなメリット
ところが、この契約プロセスは簡単なものではなく、手書きで行うことによる入力ミスの発生などが多発していました。そこでプラザ賃貸管理保証株式会社は電子署名を導入して問題の解決を目指しました。
同社取締役の田淵敬行氏は「家賃保証サービスに関する契約を電子化することで、お客様側にも、弊社側にも、双方に大きなメリットがあります。まずお客様である入居者、ならびに不動産物件オーナー様へのメリットとして、紙への押印と郵送という面倒なプロセスを経ることなく、スマホやパソコンなどを使ってオンラインで完結できる為、お客様の時間と手間を削減できることが挙げられます」と語ります。
田淵氏は続けます。「弊社側の利点としては、契約締結までのスピードアップ、ならびに従来まで手書きで行うことで発生していた入力ミスなどを減らすことで、業務効率が向上します。紙だとどうしても不備や不足が発生して、社内の様々な部門で余計な仕事が発生します。これをデジタルで行えば、ミスを減らすことができます」。
また、不動産の賃貸借契約をする場合、店舗によってはデジタル化の一貫として、最近はタブレットを使っている店舗も増えていますが、この場合、その都度来店が必要になります。しかしこれを電子署名で行えば、お客様が来店する手間が省けます。
利用にあたってのハードルの低さと柔軟性からDocusign eSignatureを選択
Docusign eSignature を採用した理由について、家賃保証推進部 主任の田中静夏氏は「費用対効果の良さと柔軟性が決め手です」と話します。「Docusign eSignature は柔軟性が高いので、弊社の業務に沿ったシステムを構築することができました。非常に複雑なテンプレートにも対応できることは大きな魅力です。また、Docusign eSignature を使えば、署名する方は無料で、予めアカウントを作らなくても署名・捺印ができます。お取引会社でもある管理会社様、賃借人様の3者間で保証契約を行うのですが、国内の他社製品の場合、署名者が予めアカウントを作成しなければならなかったり、もしくは同じサービスを購入しなければならなかったりと、導入にあたっての負担が生じる恐れがありました。弊社は家賃保証サービスの提供が後発的であったため、付加価値をつけたサービスを提供したい、という理由で電子署名導入を検討したこともあり、お客様の費用負担、アカウントの作成、となるとお客様に喜ばれないことが目に見えていました」。
個人情報保護の点でもドキュサインは安心
電子署名の導入後は、紙による非効率的なプロセスが3者にもたらしていた契約にかかわる「負担」と「手間」、そして「コスト」が大きく削減されました。目に見えるものでは郵送コストが挙げられますが、それ以外でも従業員が冗長で無駄な作業に費やしていた時間や、それにともなう管理にかかっていた時間を費用に換算すると、結構なものになります。
「また、契約書には個人情報が含まれるので、紙での管理は安全でなく、これまで非常に神経を使っていました。これがデジタルだとセキュリティ的に心配がありません。これは実は何物にも代えられません。誰がどのドキュメントにアクセスしたかわかりますし、全てがトラッキングされています」と田淵氏は語ります。
ドキュサインのデータセンターは、銀行レベルのセキュリティと通信会社レベルの可用性を提供しています。個人情報を含む契約書という、ビジネスで最も重要な文書の管理においても十分に安心できることが、同社がドキュサインを選択した最大の理由と言えます。