日米間の不動産売買契約にドキュサインの電子署名を採用
1997年に創業した株式会社オープンハウスは、「東京に、家を持とう。」をスローガンに急成長している不動産業界における注目企業の1つです。従業員は1,500人を超え、売上高は3,000億円を突破。同社は戸建、マンション、収益不動産を軸に成長してきましたが、新たに米国不動産を日本の富裕層に販売する「ウェルス・マネジメント事業」を2017年より展開。この事業の成功を支えたツールの1つに、ドキュサインの電子署名があります。
契約のペーパーレス化で、ビジネス上の課題を克服
オープンハウスが展開するウェルス・マネジメント事業は、価格の上昇が期待される米国の戸建て物件を現地にて厳しく選定し、日本の富裕層に紹介・販売するビジネスです。米国は経済も順調で人口も増えており、不動産価格も堅調に上昇しているため、賃貸による家賃収入に加えて、物件価格の上昇による売却益も期待することができます。その大きなメリットに気付いた一部の富裕層が既に積極的な投資を始めています。
不動産の購入となると、日本においても煩雑な手続きが必要となりますが、ましてや米国の不動産の購入となると、英語での手続きになるだけでなく、法律や商習慣が大きく異なるため、一筋縄ではいきません。特に売買契約に関する書類の確認・署名となると、ハードルは高くなります。
もちろん同社は米国の不動産オーナーと顧客の間に入って手厚いサポートを提供しますが、最終的に米国の現地オーナーから物件を購入するのは日本の顧客です。彼らは数多くの書類を確認し、署名しなければなりません。そこで、オープンハウスは電子署名を導入し、契約をペーパーレス化することで、この課題を克服しました。
不動産業界のデファクト・スタンダード
ドキュサインは2003年に米国で創業し、今では世界中のあらゆる業界で使われる電子署名ソリューションを提供しています。もともとは、煩雑な不動産関連の契約書を簡素化することを目的に開発されたもので、今では米国の不動産取引の90%以上で使われている、米国内では誰もが知っている電子署名のツールです。
「電子署名を導入するにあたり、色々な製品を検討しました。米国の不動産取引ではドキュサインが多く利用されているので、米国の不動産オーナー様はドキュサインに慣れています。日本側でも、ウェルス・マネジメント事業のお客様は、電子署名の導入に大きな障害は特段ありませんでした。日米間の契約の電子化には、ドキュサインが最も適していたと思います」と、同社 情報システム部企画開発グループ課長の内匠浩平氏は話します。
時間・場所を選ばず、安全に契約を締結
ドキュサインを使うことで、時間と場所を気にすることなくクラウド上で契約を締結することができます。つまり、契約書を印刷して、封筒に入れ、郵送して、相手に署名・返送してもらい、各当事者に共有するという一連の作業を、数時間、早ければ数分で完了することができるのです。契約書を(ドキュサインの)クラウド上にアップロードして相手に送信する、受信者はメールのリンクをクリックして契約書を開き、必要な箇所を記入し署名する、以上で契約は完了します。
「この事業のお客様は忙しい方が多いので、何度も当社のオフィスに足を運んでもらうよりも、いつでも、どこでも署名ができるドキュサインは非常に喜ばれています。お客様からドキュサインでやりたい、と言われることもあります。また弊社の米国支社の物件仕入れ部門はすでにドキュサインを使っていたので、ウェルス・マネジメント事業でドキュサインを採用することは自然な流れでした」と、内匠氏は説明します。
また、安全・安心面でもドキュサインは優れています。「紙と郵送だと、契約書が届かなかったり、今どのような状況なのか、相手に電話しないと分かりません。ドキュサインは、書類を受け取ったか、開封したか、署名したかなどのステータスを関係者ごとに細かくトラッキングすることができます。ドキュサインを使用すれば、誤配や未達などは発生しませんし、ましてや改ざんなども起こりません」。
最後に内匠氏は次のように語ります。「素直な感想として、電子署名を使わない理由はありません。米国だと不動産取引の殆どにドキュサインが適用できますが、日本だとまだまだ限られた部分にしか使えません。早く日本でも使えるようになることを望んでいます」。
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