Blog
ホーム/

電子帳簿保存法とは?

概要3分で読み終わります

電子帳簿保存法(電帳法)とは、国税に関する帳簿や書類を電磁的記録等により、保存する時の方法について定めた法律です。電子署名を使用したデジタルでの契約の場合、1. 電子記録を出力した書面を保存する、または 2. 電子データでそのまま保存する、いずれかの対応になります。

lawyer's desk

電子帳簿保存法とは、国税に関する帳簿や書類(国税関連帳簿書類)を電磁的記録(電子データ)等により、保存する時の方法について定めた法律です。

国税関連帳簿書類とは、帳簿と書類に分かれ、法人税上の「帳簿」は法人税法施行規則第54条に規定される、仕訳帳や総勘定元帳などになり、事業年度開始日を電子帳簿の備え付け開始日とする必要があります。また、法人税上の「書類」は同規則第59条などに規定される、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書並びに決算に関して作成されたその他の書類、注文書、契約書、送り状、領収書、見積書等、これらに準ずる書類などになり、課税期間の途中からでもそれ以後の作成分を電磁的記録等により保存することができます。

これらの国税関連書類は、法人税法150条の2第1項及び法人税法施行規則59条、67条により紙の書面で7年間保存することが定められています。電子契約の場合は、1. 電子記録を出力した書面を保存する、または 2. 電子データでそのまま保存する、いずれかの対応になります。1.の場合、電子契約を行った電磁的記録を出力した書面を保存することで法令上の要件を満たします(電子帳簿保存法10条但書)。2.の場合は、以下のような電子帳簿保存法上の電子データの保存要件を満たす必要があります。

保存義務(施行規則第8条第1項)

  • 保存義務者は、電子取引を行った場合には(略)、当該電子取引の取引情報(略)に係る電磁的記録を、(略)当該書面を保存すべきこととなる場所に、当該書面を保存すべきこととなる期間、(略)第三条第一項第四号並びに同条第五項第七号において準用する同条第一項第三号(同号イに係る部分に限る。)及び第五号に掲げる要件に従って保存しなければならない。

真実性の確保(施行規則第8条第1項)

  • 次の各号に掲げるいずれかの措置を行い、第三条第一項第四号並びに同条第五項第七号において準用する同条第一項第三号(同号イに係る部分に限る。)及び第五号に掲げる要件に従って保存しなければならない。

    • 一 )当該取引情報の授受後遅滞なく、当該電磁的記録の記録事項にタイムスタンプを付すとともに、当該電磁的記録の保存を行う者又はその者を直接監督する者に関する情報を確認することができるようにしておくこと

    • 二)当該電磁的記録の記録事項について正当な理由がない訂正及び削除の防止に関する事務処理の規程を定め、当該規程に沿った運用を行い、当該電磁的記録の保存に併せて当該規程の備付けを行うこと

関連書類の備付(施行規則第3条第1項第3号、第3条第5項第7号による準用)

  • 当該電子取引の電磁的記録に係る電子計算機処理システムの概要を記載した書類の準備

見読性の確保(施行規則第3条第1項第4号)

  • 当該電子取引に係る電磁的記録の備付け及び保存をする場所に当該電磁的記録の電子計算機処理の用に供することができる電子計算機、プログラム、ディスプレイ及びプリンタ並びにこれらの操作説明書を備え付け、当該電磁的記録をディスプレイの画面及び書面に、整然とした形式及び明瞭な状態で、速やかに出力することができるようにしておくこと

検索性の確保(施行規則第3条第1項第5号、第3条第5項第7号による準用)

  • 当該電子取引に係る電磁的記録について、次の要件を満たす検索機能を確保しておくこと(イ)取引年月日、その他の日付、取引金額その他の国税関係帳簿の種類に応じた主要な記録項目を検索条件として設定できること(ロ)日付又は金額に係る記録項目については、その範囲を指定して条件を設定することができること(ハ)二つ以上の任意の記録項目を組合せて条件を設定することができること

真実性の確保の要件については、認定タイムスタンプを付与するか削除防止規定のどちらかが必要になります。訂正削除を原則行わない旨を規定する場合には、以下のいずれかが必要です。

(取扱通達法第 10 条)

A:自社の規程のみによって防止

  • データの訂正削除を原則禁止

  • 都合により、データを訂正又は削除する場合(例えば、取引相手方からの依頼により、入力漏れとなった取引年月日を追記する等)の事務処理手続(訂正削除日、訂正削除理由、訂正削除内容、処理担当者の氏名の記録及び保存)

  • データ管理責任者及び処理責任者の明確化

B:取引相手との契約によって防止

  • 取引相手とデータ訂正等の防止に関する条項(上記Aを内容とするもの)を含む契約を行うこと

  • 事前に上記契約を行うこと

  • 電子取引の種類を問わないこと

電子帳簿保存法Q&Aの「(電子計算機を使用して作成する帳簿書類及び電子取引関係)問58」にある「電子取引データの訂正及び削除の防止に関する事務処理規程」のサンプルをご参照ください。

※電子帳簿保存法一問一答のPDFはこちらからアクセスいただけます。

追記:

2022年1月、改正電子帳簿保存法が施行され、保存要件の大幅な緩和と不正行為に対するペナルティの強化が予定されています。改正法の詳細は、最新のブログ記事『2022年1月施行の改正電子帳簿保存法のポイントとは?』および『改正電子帳簿保存法への対応と文書管理のポイント』をご覧ください。

参考文献:

免責事項:このサイトの情報は一般的な情報提供のみを目的としており、法的助言を提供することを意図したものではありません。電子署名にかかわる法律は急速に変更される可能性があるため、ドキュサインはこのサイト上のすべての情報が最新であることまたは正しいことを保証することができません。このサイトの情報について特定の法律上の質問がある場合には、弁護士にご相談ください。

関連記事

  • Docusign CLMがもたらす449%のROI:Forrester Total Economic Impact(TEI:総経済効果)調査
    ビジネストレンド

    Docusign CLMがもたらす449%のROI:Forrester Total Economic Impact(TEI:総経済効果)調査

    Author Docusign
    Docusign
  • 日本はデジタル後進国?!「世界デジタル競争力ランキング」に見る、日本が目指すべきデジタル化とは

    日本はデジタル後進国?!「世界デジタル競争力ランキング」に見る、日本が目指すべきデジタル化とは

    Author Docusign
    Docusign
日本はデジタル後進国?!「世界デジタル競争力ランキング」に見る、日本が目指すべきデジタル化とは

日本はデジタル後進国?!「世界デジタル競争力ランキング」に見る、日本が目指すべきデジタル化とは

Author Docusign
Docusign

電子署名を試してみませんか?Docusign eSignature の無料トライアルをご活用ください。

無料で試すお問い合わせ
Person smiling while presenting