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【2021年版】市場調査からみる電子契約/電子署名サービスの現状とニーズ
紙文化、ハンコ文化が根強く残る多くの日本企業では、紙の契約書の作成や署名捺印、管理・保管に多くの課題を抱えています。本記事では、ビジネスパーソン1,000人を対象に実施した調査から、従来の契約における課題および電子契約/電子署名サービスの日本国内市場の現状とニーズの実態を明らかにします。
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最新の調査レポート(2023年版)はこちらをご覧ください。調査レポート(全文)は無料でダウンロードできます。
「紙文化」、「ハンコ文化」が根強く残る日本の企業では、現在でも紙による契約が主流になっています。しかし、多くの企業では、契約書や稟議書、請求書など紙の文書の作成や署名捺印、管理・保管に多くの課題を抱えています。特に、コロナ禍で在宅勤務やテレワークが普及し、新しい働き方が広がる中では、物理的な「紙」や「ハンコ」を必要とする業務は非効率的で、生産性にも悪影響を及ぼします。また、印刷、製本、送付、署名・捺印、スキャン、ファイリングなど多くの作業を要し、その“わずらわしさ”は最大のデメリットとも言えます。これら紙の契約における課題を解決してくれるのが「電子契約/電子署名サービス」です。
今回、ドキュサイン・ジャパン株式会社は日経BPコンサルティング株式会社に委託し、従来の契約における課題および電子契約/電子署名サービスに関する日本国内市場の現状とニーズの実態を探るために、ビジネスパーソン1,000人を対象に調査を実施しました(2021年7月実施)。回答者が勤める企業での電子契約/電子署名サービスの導入・利用状況やニーズ、また回答者自身の電子契約/電子署名サービスに対する利便性などについても調査・分析しています。本調査結果のより詳しい内容を掲載したホワイトペーパー『「電子契約/電子署名サービス」国内市場の現状とニーズ』は、以下リンクより無料でダウンロードいただけます。
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紙の契約で不便さを感じたことがある人は6割以上
紙の契約においてトラブルを感じたことがあると回答した方の割合は全体で3割を超え、6割以上の方が不便さを感じています。
トラブルにおいては、特に「成約までの時間」が問題となっており、実際にビジネスを回す会社の中核である役職の方が、最もトラブルとして感じています。また、デメリットに関しては「わずらわしい印刷や製本、スキャンなどの手作業」に不便さを感じている方が最も多く、次いで「在宅勤務中に押印のために出社しなければならない」「在宅勤務、出張、出先にいた際にすぐに対応できない」が挙げられ、紙の書類のやり取りや押印など物理的な要素が大きなネックになっていることがわかります。
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7割以上がビジネスで電子契約/署名サービスを利用したいと回答
電子契約/署名サービスの利用意向については、回答者の6割が利用意向を示しています。特に、ビジネス面においては7割以上が「大変利用したいと思う」、「利用したいと思う」または「どちらかというと利用したいと思う」と回答しており、ビジネスシーンでの電子契約/署名サービスのニーズは高いと言えます。
役職別にみると、普段から紙の契約に関するトラブルを抱え、デメリットを強く感じている「事業部長/部長クラス」の利用意向が高く、8割以上が電子契約/署名サービスを利用したいと回答しています。

電子契約/署名サービスが便利だと感じている人は9割以上
電子契約/署名サービスを利用したことがある方の94%が便利だと感じており、その内、4人に1人は「大変便利だと思う」と回答しています。便利だと感じている点として、印鑑が不要である点、ペーパーレス化が図れる点、場所を選ばずいつでもどこでも利用できる点など、電子契約/署名サービスの特長が多く挙がっています。電子契約/署名サービスは、利用すれば、ほとんどの方がその便利さを実感できるサービスであると言えるでしょう。

現在、日本国内で電子契約/署名サービスを導入している企業は2割弱
今回の調査では、契約元として電子契約/署名サービスを導入している企業は18%、導入検討まで含めると4割を超えることがわかりました。さらに、導入意向がある回答者まで含めると約6割となり、過半数を占めています。
業種別にみると、「金融・保険業」と「インフラサービス業(電気・ガス・熱供給・水道業、放送・通信・情報サービス業)」が最も高く、導入率は約3割となっています。また、企業規模別でみると、企業規模が大きくなるほど導入率が高くなる傾向にあり、従業員10,000人以上の企業の約4割近くが、電子契約/署名サービスを既に導入しています。
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「電子契約/電子署名サービス」は、コロナ禍による在宅勤務/テレワークの推進、また行政手続きでの押印廃止やデジタル庁の創設など、デジタル化に向けた政策も追い風となり、ここ数年で急速に普及が進んでいます。従来の「紙」や「ハンコ」を必要としていた業務のスタイルを変化させ、企業のDXを推進し、ペーパーレス化や業務効率化などに大きな効果をもたらすとともに、組織のあり方や働き方を変革していくサービスとして、今後市場の拡大が期待されています。さらに、新型コロナウイルス感染症や自然災害など不測の事態が発生した場合に備えるBCP(事業継続計画)対策として検討、導入する企業も増加傾向にあります。国内における電子契約/署名サービスの市場は、現時点では導入率が2割弱となっていますが、将来的に5割以上の企業が導入すると考えられ、今後ますます企業にとって重要なサービスとなっていくでしょう。