3つの事例から学ぶ!データはビジネスをどう変えるのか
近年、組織が入手し利用できるデータの量は激増しています。ビジネスを成長させるために、私たちはどのようにデータを活用すればよいのでしょうか。本記事では、ChatGPTに代表される生成AI(ジェネレーティブAI)など、データを中心とした3つのイノベーションの事例を紹介します。
近年、組織が入手し利用できるデータの量は激増しています。ビジネスを成長させるために、どのようにデータを活用すればよいのでしょうか。
世界はデータに基づいて意思決定を下す新しい時代を迎えようとしています。膨大な量のデータを集め、機械学習や AI(人工知能)のツールを利用して分析できるようになると、営業、カスタマーサービス、製品開発、法務まで、組織のあらゆるプロセスが根本的に変わります。
デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める中で重要なのは、パフォーマンスを高め、コストを削減し、競争力を得るためにデータを有効活用する方法を見つけることです。本記事では、データを中心とした3つのイノベーションの事例を紹介します。
1. 新しい合意・契約のカタチ
ドキュサインが追い求めているのは、紙ではなく Web ページのような、「いつでも、どこでも」を可能にするスマートな契約・合意のカタチです。データがどのようにビジネスのあり方や働き方を変えるのかを考えるとき、真っ先に目を向けるべきは契約・合意方法の変革です。
私たちは、文書が最初から計算可能な形式で、構造化されたデータやコードを含み、分析のソースとして機能することを思い描いています。スマート化された契約・合意文書は、署名後に保管されるだけの従来の紙や PDF の契約書に取って代わるでしょう。
契約書はビジネスの中核であり、それをコード化することはあらゆる業種・職種の業務のあり方に大きな影響を与えるでしょう。つまり、取引がより迅速になり、膨大な契約管理コストの削減が期待できます。
2. 新たな収益源、新たな事業の創出
途方もない量のデータを集め、分析し、洞察を得ることができれば、これまでにない新しい方法で収益を上げることが可能になり、さらには革新的なスタートアップ企業が爆発的に増えるかもしれません。企業が中核事業で培ったデータ分析能力をスピンオフした新会社で展開するケースもあります。
F1 レーシングカーや高級スポーツカーのメーカーである McLaren Automotive(マクラーレン・オートモーティブ)は、より速いレーシングカーを設計するために自社開発したデータ分析ソフトウェアを他の業界のユースケースに応用する新事業として McLaren Applied を立ち上げました。
McLaren Applied は、例えば、自社の F1 テレメトリーをヘルス・モニタリング・システムなどに利用しています。また、ロンドンのヒースロー空港向けに新しいスケジューリングシステムも構築しました。
スタートアップの分野では、数え切れないほどの企業が、機械学習を利用して顧客のビジネスプロセスを最適化するシステムを携えて、市場に参入しています。その一例が Gong です。同社は機械学習によって何千時間もの営業電話を構文解析し、最も効果的な言葉やアプローチを割り出しています。Gong の顧客は、こうした洞察をもとに営業担当者に対して研修を行い、成約数の増加を図っています。
3. 生成 AI のビジネス活用
最近、OpenAI の ChatGPT が一躍話題になり、高校生の宿題からソフトウェアコードの量産まで、何でもできる生成AI(ジェネレーティブAI)のパワーを世界に知らしめました。ChatGPT は 2 か月足らずで 1 億人のユーザーを獲得し、史上最も急成長したアプリとなりました。
この技術は、製造、自動車、航空宇宙、材料科学、製薬などの業界にとって大きな意味を持ちます。世界に確実に変革をもたらすものであるからこそ、過去数十年にわたってこれらの市場分野に対して投資が行われてきました。
しかし、この騒ぎに巻き込まれる前に、生成 AI は万能薬ではないことを心に留めておく必要があります。ChatGPT は世界を熱狂させていますが、正しい質問をしなければ、問題を適切に解決することはできません。生成 AI を有効活用するためには、問題を知り、制約を知り、望む結果が何かを知る必要があります。
データ時代の今、データはビジネスとは切っても切れない関係にあります。企業はどのようにデータを利活用すべきかー。以下、ドキュサインのブログでは、企業のデータ活用について、事例を踏まえてさまざまな角度から紹介しています。ぜひあわせてご覧ください。
※本記事は「How Data Is Transforming Business」の抄訳で、日本向けに一部加筆修正しています。