Docusign Agreement Cloudで法人向け融資手続を迅速化した英・サンタンデール銀行

サンタンデール銀行（イギリス）の中小企業部門であるコーポレート＆コマーシャルチームは、売上高50万ポンドから5億ポンドまでの企業に金融商品を提供しています。同行は、顧客体験の向上に重点を置き、非効率なマニュアルプロセスのデジタル化に着手することにしました。

この移行に踏み切った最大の理由は、法人顧客が融資を受ける際に特に不満に感じている「（申込から審査、契約までの）煩雑な手続き」と「融資実行までの期間」の2点を改善する必要があったからです。 Docusign Agreement Cloud を導入したことで、サンタンデール銀行は、新規顧客が口座を開設し、資金を入手するまでの期間を大幅に短縮することができ、すべてをデジタル化することで、顧客が直接支店を訪問したり、書類を送付する手間を取り除くことができました。数ある電子署名およびCLM（契約ライフサイクルマネジメント）ソリューションを綿密に検討した結果、同行はその使いやすさと Salesforce との柔軟な統合からドキュサインを選択しました。

Docusign Agreement Cloud で申込手続きを加速

このデジタル化に取り組む以前、新規顧客は39種類にもおよぶ PDF 形式の書類の中からいずれかに記入し、印刷、署名をした後、最寄りの支店に提出する必要がありました。この手間のかかるマニュアルプロセスを完了するまでに、平均で12日（最長で25日）もかかっていました。

ドキュサインを利用することで、同行はこれらのステップをデジタル化し、煩雑だった39種類の PDF を1つのオンラインフォームに置き換えることができました。顧客がフォームを送信すると、金融犯罪や不正行為のチェックなど、新規口座の承認・開設に必要なバックオフィスのプロセスが次々と開始されます。多くの場合、複数のプロセスを並行処理することによって、すべての手続きをすばやく完了させ、顧客が署名をすれば口座が開設されます。

サンタンデール銀行は、ドキュサインのカスタマーサクセスチームの協力を得て、同じ文書に対して複数の人が同時に作業・署名することができる高度な署名ワークフローを設計しました。多くの企業では、離れた場所に複数の署名者がいたり、署名前にフォームに記入するだけの人もいるため、複数の人が同時に作業を進められることで、他の人の作業完了を待つ必要がなくなり、時間がかかっていたプロセスを根本的に改善することができました。その結果、顧客が口座を開設するまでの時間は、平均2日まで短縮されました。

Docusign Agreement Cloud の導入は、顧客満足度を向上させるだけでなく、申込手続きやローン契約の締結に伴う管理上の負担も大幅に軽減することができました。以前は、新規口座を開設する際には、紙の書類に記載された内容をバックオフィスシステムに手動で転記し、原本と照合する必要がありました。デジタル化によってこれらの作業がすべてなくなり、サンタンデール銀行の行員は事務処理ではなく、お客様対応により多くの時間をさくことができるようになりました。

複雑なローン契約書を Docusign CLM でシンプルに

融資実行までの期間を最小限に抑える、エンドツーエンドのデジタル化されたローンアプリケーションの提供は、サンタンデール銀行の融資ビジネス成功の鍵を握ります。これを実現するために、同行では Docusign CLM を利用して融資契約のデジタル化を進めました。nCino（エヌシーノ）との API 連携により、融資の交渉から契約完了まで、すべて1つのシステムで行えるようになりました。

Docusign CLM を利用すれば、nCino上で新規与信の条件を提案し、金額を設定した後 Docusign CLM にシームレスに移行し、銀行と申込者の間で交渉を行うことができます。双方が合意に達すると、nCino で自動的に書類が作成され、申込者はドキュサインの電子署名を使って署名を行います。その他の必要なバックオフィス業務も並行して行われるので、署名済の契約書と資金を同時に準備することができます。

「自動化、並行処理、電子署名などにより、ローンの交渉や実行に必要な時間を30％削減できれば、その分の時間を顧客との関係構築のために充てることができます。デジタルトランスフォーメーションチームが次に取り組む課題が何であれ、最終的な目標は常に変わらず、テクノロジーを使って顧客体験を向上させることです」とホルマン氏は語ります。

※本事例は「Santander UK’s Expedites Onboarding With Docusign Agreement Cloud」の抄訳になります。