ドキュサインの電子署名で業務効率化を図るケンタッキー州ルイビル市庁
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ケンタッキーダービー、モハメド・アリ、ルイビル・スラッガー(野球バットのメーカー)、そしてホットブラウンサンドイッチが有名なケンタッキー州ルイビル市。しかし、同市の職員の中には、ケンタッキー州最大の都市であるルイビル市を「能率的な自治体」という別の顔があることを広めたいと思っている人がいます。その人物、情報システム・アナリストのトレイシー・マイナーズ氏は、「能率的という言葉は、行政ではあまりぴんとこないかもしれませんが、私たちはその印象そのものを変えたいと思っています」と語ります。
マイナーズ氏と彼女が率いるチームは、30機関の約6,000人もの職員をサポートし、プロセスを改善してより効果的に市民にサービスを提供するために必要なツールを提供しています。ドキュサインの電子署名もそのひとつです。
ルイビル市庁では、2018年に「2023年までにペーパーレスを達成する」という取り組みを開始した際に、ドキュサインを導入しました。導入当初は庁内の数件で利用されているだけでしたが、パンデミックの発生で、数十件に増加し、数カ月後にはドキュサインの使用は 2,000% 増加し、紙の使用量が大幅に削減されました。ドキュサインの電子署名は、職員の業務効率を高めるだけでなく、住民や助けが必要な団体などが、この困難な時期を乗り切るために、極めて重要な役割を果たしました。
支援を必要としている人をより迅速に救済
新型コロナウイルス感染症のパンデミックがピークに達した頃、市の情報システム部門はドキュサインと協力して、光熱費や家賃を補助するために、CARES (コロナウイルス経済救済法)による数百万ドルの資金提供を加速させました。ルイビル市庁は PowerForm 機能を使用して、モバイルデバイスでも簡単に申請できるプロセスを構築しました。
申請者はまず予約を取ります
次に、必要な書類を添えて申請書を提出します
最後に、貸主と借主の双方が新貸借契約書に電子署名し、資金の支払いが開始されます(賃貸支援の場合)
また、住民コミュニティーセンターでは、各地に「Neighborhood Place」と呼ばれるポストを設置し、住民が紙ベースの申請書類を提出して光熱費や家賃の補助を受けることができるようにしました。
政府が提供するプログラム以外では、パンデミックの影響を受けた非営利団体や個人への迅速な支援を目的とした「One Louisville Fund」に1,100万ドル近くの資金を調達しました。ドキュサインは、従来の紙ベースのプロセスを一変させ、1,768件にのぼる申請を迅速に処理し、資金を(紙と比べて)70%早く人々に届けることができました。
また、市がブロードベント・アリーナ(多目的アリーナ会場)を大規模ワクチン接種センターに改装した際には、4,000人以上のボランティアの審査と登録にドキュサインの電子署名を利用しました。ボランティアは、早期にワクチン接種を受けられる代わりに、会場の交通整理や書類収集、クリップボードの消毒などの作業を担当しました。
「困っている人たちを助けるために、地域が一丸となりました。ドキュサインのおかげで、パンデミックを乗り越えるためにプロセスを改善し、対応することができました」と、情報システムチーム副部長のケン・ヒルブランド氏は言います。
社内便を電子署名に置き換えることで生産性を向上
マイナーズ氏はドキュサインを導入した当初、生産性が大幅に向上するとは予想していませんでした。電子署名に移行する以前は、書類の処理を円滑に行うために社内便(社内間で書類等をやり取りするための配達便)を利用していました。職員のタイムシートや助成金の申請書など、多くの書類が、すべての署名を取得するまで2週間以上放置されることも珍しくありませんでした。今では、数分から数時間で処理が完了し、デジタルで保存していつでも簡単にアクセスすることができます。
職員がより効率的に、より良い方法で仕事をするために役立っていると思うと、とてもやりがいを感じます。
トレイシー・マイナーズ氏情報システム・アナリスト, ルイビル市庁
さらにルイビル市庁では、すべての機関でドキュサインの電子署名を活用できると判断し、利用範囲を拡大しました。例えば人事部では、人事評価シートを SharePoint などの共有サーバーに保存していましたが、機密性の高い職員の情報が他の関係者にも閲覧できる状態でした。ドキュサイン導入後は、個人情報を保護しながら、適切な評価シートを署名(承認)が必要な関係者に直接送信することができるようになりました。
ペーパーレス化への取り組み - これまでに約300万枚の紙を節約
ルイビル市庁では、ドキュサインの電子署名を使用して効率化できるプロセスを拡大し続けており、マイナーズ氏は毎月ユーザーを集めてミーティングを開催し、使い方のコツやヒントを共有し、ツールを使用することによる環境への影響についても取り上げています。「2023年までにペーパーレスを達成する」という目標を通して、市はこれまでに約300万枚の紙を節約しました。これは約24台の車が排出する温室効果ガスの削減、木に換算すると345本の節約に相当します。
ヒルブランド氏は、「ドキュサインを他の企業向けのアプリケーションと統合することは、大きな改革をもたらすチャンスになります。電子署名を使ってプロセスを改善していくことで、これからも新しい使い方を発見できると考えています。まだ使ったのことのないアプリケーションは数多くありますから」と語ります。
※本事例は「Louisville Metro Government Boosts Efficiency at a Critical Time with Docusign eSignature」の抄訳になります。