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情シス必見!システム開発を外注する際の注意点と委託先の選び方

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DX推進の機運が高まるなか、自社の人的リソース不足や開発要件の複雑化などから、外部の企業にシステムの開発・構築をアウトソースすることがあります。本記事では、システム開発の内製化と外製化(外注)それぞれのメリット・デメリットを紹介し、外注する際の注意点と委託先の選定ポイントを解説します。

目次

ソフトウェアを開発する女性エンジニア

DX推進の機運が高まるなか、自社の人的リソース不足や開発要件の複雑化などから、外部のITベンダーやSIer、フリーランスのエンジニアなどにシステムの開発・構築をアウトソースすることがあります。その際、外注先の選定を見誤ってしまうと、プロジェクトが思うように進まなかったり、最終的に成果物が想定したものと大きく乖離してしまったりする可能性があります。本記事では、システム開発の内製化と外製化(外注)それぞれのメリット・デメリットを紹介し、外注する際の注意点と委託先の選定ポイントを解説します。

企業のシステム開発における課題

システム開発には高度な技術と経験が必要となる一方で、昨今では専門家不足が深刻になっています。経済産業省のDXレポートでは、2025年には約43万人ものIT人材が不足すると予測されています。企業においても、システム開発の専門知識を持つエンジニアを内部に確保できず、社内システムの開発・構築や運用に影響を及ぼしているケースも見られます。

また、企業のシステム要件も複雑化しています。ビジネスの成長や競争力強化に伴い、システムはより高度な機能と柔軟性を求められるようになっています。これにより、システム開発チームは、より迅速で効率的な対応に迫られる傾向にあります。

こうした課題を解決するため、システム開発のプロセスや戦略を見直す企業も多く見られるようになりました。近年では、システム開発・構築を外注することで効率的なIT活用を推し進める企業も見られます。

システム開発は内製?外注?

企業がシステム開発を内製化する場合と外部にアウトソースする場合には、それぞれ特徴があります。メリットとデメリットについて、詳しく見ていきましょう。

内製のメリットとデメリット

内製とは、自社でシステム開発を行うことです。システム開発を内製化すると、開発のノウハウを自社で蓄積でき、従業員のITスキル向上にもつながります。これにより、将来的なメンテナンスやアップグレード、新しいシステムの開発にも柔軟に対応できるようになります。また、必要な時に仕様変更や機能の追加が行えるため、ユーザーの細かな要望にも迅速に対応できるようになるでしょう。

一方、システム開発には高度な技術や知識が求められますが、IT人材が不足するなか、十分な専門知識を持つエンジニアや開発チームを内部に確保するのは容易なことではありません。社内で育成するにしても、採用や育成に関するノウハウが必要となり、時間もかかります。また、システム開発には多くの時間とリソースを要するため、ほかの業務への影響も考慮しなければなりません。さらに、絶え間なく技術が進化するなか、常に最新の技術やトレンドにも気を配る必要があるでしょう。

外注のメリットとデメリット

システム開発・構築を外注する大きなメリットは、自社のリソースを節約できる点です。専門知識や技術はもちろん、豊富な経験とノウハウを有する外部の専門家が担当するため、より効率的かつ高品質なシステム開発が期待できます。

しかし、外注にもデメリットがあります。密なコミュニケーションが取れていないと、情報共有や意思疎通がうまくできず、プロジェクトの進行に影響を与える可能性があります。また、外注先を選定する際、あらかじめ委託する要件を精査しておかないと、開発予算の超過や品質低下といった問題が生じることもあります。

内製と外注のどちらが良いかは一概には言えませんが、プロジェクトの規模や期間を考慮し、それぞれのメリット・デメリットを比較検討した上で、最適な方法を選択することが重要です。

システム開発の外注先はどう選ぶ?失敗しない選び方とは

システム開発・構築の外注先の選定には、外注先の実績、開発力・技術力、セキュリティ対策など、事前に確認しておくべきポイントがいくつかあります。

外注先の実績

外注先を選定する際には、これまでどのようなプロジェクトに携わってきたのか、過去にどのようなプロジェクトを成功させたのかなど、外注先の実績を確認しておきましょう。過去の事例はWebサイトに公開されていることもありますが、非公開の場合も多いため、直接担当者に確認するのが確実です。ほかにも、自社の業界と近い分野での開発実績を持っていれば、システム開発だけではなく、業界特有の課題や業務内容を踏まえた提案が期待でき、プロジェクトをより効率的に進められるでしょう。

開発力・技術力

外注先の開発力・技術力も大切な要素です。外注先が持つスキルセットや専門知識を評価し、自社の要件に適合しているかどうかを判断します。技術的な人的資源やノウハウが十分に備わっていることは、プロジェクトの成功に直結します。外注先の技術力を評価する方法としては、プロジェクトのポートフォリオ、開発チームの経験や資格の有無の確認などがあげられます。

セキュリティ対策

システム開発では、事業戦略、機密データ、知的財産といった機密情報が扱われます。情報漏えいのリスクを低減するためにも、データの保護やアクセス制御などが適切に行われているか、堅牢なセキュリティ対策を講じているかを事前に確認しましょう。セキュリティ対策の不備によって大きな損害を被る可能性もゼロではないため、外注先のセキュリティ方針や実績を評価しておく必要があります。

コミュニケーション能力

外注先との円滑なコミュニケーションは、プロジェクトの進行や成果物の品質を確保する上で重要です。打ち合わせなど契約前のコミュニケーションを通じて、説明の分かりやすさや、レスポンスの早さ、仮に遅れる場合は事前のフォローがあるのかを確認しておきましょう。例えば、対応が遅い場合、実際に開発が始まってからもスムーズなやり取りができず、遅延につながる可能性があります。

以上のポイントを押さえることで、最適な外注先を見つけることができるでしょう。外注先の選定は、プロジェクトを成功に導くカギであるといっても過言ではありません。

システム開発を外注する際に気をつけること

外注先が決まり実際にシステム開発を外部に委託する際には、注意するべきポイントがあります。

システム要件の明確化

要件が明確でないまま開発を進めてしまうと、開発に想定以上の時間がかかったり、予算オーバーになってしまったり、完成したシステムが期待に沿わなかったりするケースが出てきます。こういったトラブルを防ぐために、開発側と綿密な打ち合わせを行い、要望やニーズをしっかりと伝え、開発目的や機能、スケジュール、予算などの要件を明確に言語化することが重要です。

契約条件の明確化

システムを外注する際には、納品物やサービスの範囲、料金、サポート体制などを定めた契約を交わします。システムはリリースしたら終わりではなく、定期的なメンテナンスやシステムのバージョンアップといった対応が必要になるため、自社または外注先のどちらが旗振りをするのかについても明記しておきましょう。契約形態は、一般的に成果物に対して報酬を支払う「請負契約」と業務の遂行を目的とする「準委任契約」のどちらかになります(詳しくは『請負契約とは?委任契約との違いを事例とともに分かりやすく解説』をご覧ください)。このほかに秘密保持契約(NDA)の締結も必須です。

まとめ

情報システム部門には、要件を満たしたシステムの安定的な提供が求められます。昨今、企業のシステム開発・構築において課題となりがちな、人的リソース不足やシステム要件の複雑化に対しては、内製・外注をうまく切り分けながら、パフォーマンスの最大化とシステムの最適化を図るのがよいでしょう。

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