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IT重説とは?知っておくべき不動産業界の最新DXトレンド

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今、不動産業界におけるデジタル化は一層加速しており、DX推進に向けて大きな動きが広がりつつあります。その取り組みの1つが「IT重説」です。本記事では、IT重説のメリットや実施時に遵守・留意すべき点を紹介し、不動産業界を取り巻くDXへの取り組み、さらにはDX推進のポイントについて解説します。

    • 「IT重説」とは?
    • すでに本格運用が開始されたIT重説
    • 不動産業界でDXを推進するためのポイントとは

    目次

    新居を見学する客と不動産業者

    さまざまな業界で取り組みが本格化しているデジタルトランスフォーメーション(DX)。不動産業界でもDX推進に向けて大きな動きが広がりつつあります。その取り組みの1つが「IT重説」です。本記事では、IT重説のメリットや実施時に遵守・留意すべき点を紹介し、不動産業界を取り巻くDXへの取り組み、さらにはDX推進のポイントについて解説します。

    「IT重説」とは?

    不動産の賃貸借契約や売買契約では、「宅地建物取引業法」(以下、宅建業法)第35条で定められている通り、必ず重要事項説明(*1)という手続きが必要です。これは、重要事項を明記した書面である重要事項説明書には物件の権利関係や制限事項、管理・修繕のルールなどが多岐にわたり記載されているため、誤認識などによって買主・借主が損害を被らないためです。

    また、重要事項説明の実施方法についても、宅建業法で明確に定められており、契約の前に実施することが義務付けられています。宅地建物取引士(以下、宅建士)が重要事項説明書を用意・押印したうえで、買主・借主に書面で交付します。また、重要事項説明は従来、宅建士が必ず対面で説明する必要がありました。

    この**重要事項説明をオンラインで実施する方法が「IT重説」**です。IT重説により、重要事項説明を対面ではなく、ITを活用してリモートで行えるようになるため、宅建士は買主・借主を訪問、または買主・借主は不動産会社(宅建士)を訪問する必要がなくなります。重要事項説明に費やす交通費などのコスト削減に加えて、時間や場所の制限が緩和されるため柔軟に日程調整ができる点も大きなメリットです。

    ただし、テレビ会議システムやテレビ電話でIT重説に臨む場合はお互いの環境を整える必要があります。例えば、宅建士証の写真と文字が映像から明確に判別できる機器、説明や質問内容が判別可能な音響環境など、一定以上の機能・性能が求められます。トラブルを避けるためにも、インターネット回線を含め、安定した環境下で実施する必要があります(*2)。

    すでに本格運用が開始されたIT重説

    IT重説は国土交通省主導のもと、社会実験を経て本格運用が開始されています。大きく賃貸借契約と売買契約で分けられていますが、賃貸借契約におけるIT重説は2015年からの社会実験を終え、2017年10月から本格運用が始まっています。一方、売買契約におけるIT重説はこれまで、法人間と個人間で分けて社会実験が進められてきましたが、2021年4月、ついに本格運用開始に至りました(*3)。

    なお、現時点では重要事項説明書自体の電子交付は認められていませんが、国土交通省はすでに導入の方針を決めており、2021年4月6日には衆院本会議にて関連法案が通過しました(*4)。改正法が施行されると、不動産会社はオンラインで重要事項の説明を実施し、書面に関しても電子交付が可能となるので、これまでかかっていた書類の郵送にかかるコストや工数を大きく削減することができます。こうしたデジタル化への取り組みは、紙文書の管理からの脱却による業務効率化をはじめとして、多くのメリットが得られるでしょう。

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    不動産業界でDXを推進するためのポイントとは

    これまで述べてきたように、IT重説をはじめ、不動産業界におけるデジタル化の取り組みは一層加速しています。また、売買契約や賃貸借契約、賃貸の更新・解約など、現行の法律の範囲内ですでに多くの不動産業務をデジタル化することができます。しかし、特にこれまであまり積極的にIT活用を推進してこなかった場合、「デジタル化はハードルが高い」「どこから手をつけたらよいかわからない」と思われるかもしれません。

    そのような状況のもと、DXへの取り組みで重要となるポイントは「まずは簡単な業務や身の回りの業務など、できるところからデジタル化を考えること」です。例えば、手書きまたは手入力している日報や帳票管理、社内規則の変更通知、従業員の雇用契約、工事業者等への業務委託など、社内の業務において、ペーパーレス化をはじめとするデジタル活用を実践できる業務は数多くあります。このようなデジタル化への取り組みを徐々に広げていき、より細かい運用が必要な不動産業務で取り入れていくことで、段階的な流れをつくり、DXの価値を高めることができます。

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    参考:

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