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ライフサイエンス業界における成功事例:デジタル化でグローバルな成長を実現

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製薬などのライフサイエンス業界では、複雑で変化の激しい規制へのコンプライアンスに対応することが求められていますが、非効率的な契約プロセスが成長の妨げになっているケースもあります。ドキュサインの電子署名を導入し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進したベーリンガーインゲルハイム社の成功事例をご紹介します。

目次

ライフサイエンス業界でグローバルな成長を実現
ライフサイエンス業界でグローバルな成長を実現

製薬・医療機器などのライフサイエンス業界では、複雑で変化の激しい規制へのコンプライアンスに対応することが求められています。また、コストの上昇や競争の激化、特許失効などの課題にも直面しています。これらの課題は、新しい治療薬をより早く市場に投入しなければならないというプレッシャーの高まりによって、さらに深刻化しています。

これは、製薬業界の世界におけるトップ20社のうちの1社であるベーリンガーインゲルハイム社においても例外ではありませんでした。彼らは、時間がかかり非効率的な契約プロセスに悩まされていました。

時代遅れの契約プロセスは、最終的にベーリンガーインゲルハイム社の成長戦略の妨げになっていました。同社の法務チームは毎日何十もの契約書などの合意形成文書を作成していましたが、締結完了までに2週間から1ヶ月もかかっていました。NDA、調達契約、業者との契約の遅延は、ビジネスの他のエリアにも波及効果をもたらしました。2016年、同社は署名に関するワークフローの生産性と透明性の向上に着手しました。また、監査可能な署名プロセスでコンプライアンスを確保し、"be green initiative "の一環として紙の使用量を削減することを目指しました。

マニュアル契約プロセスの課題 

ビジネス内のあらゆる業務は、契約書の交渉と作成、承認、署名を必要とします。これらの業務には、法務、人事、調達、製造、臨床業務、マーケティングなど複数の部門が関わります。ビジネスプロセスを効率的に遂行するためには、承認と署名はスケジュール通りに実行される必要があります。

契約のプロセスは、文書に署名したら終わりではありません。製薬業界では、支払いは、講演後の業者との合意によることがあります。中には、ドラッグリベート・プログラムの一部として提供されるものもあります。バックエンドでは、システムを更新し、文書を倉庫などの場所に保管する必要があります。また、すべての文書は迅速かつ効率的に検索でき、分析できるように管理されていなければなりません。特に規制された事例では、保管場所はGxPガイドラインに従う必要があり、また監査可能である必要があります。

ベーリンガーインゲルハイム社の契約ライフサイクルプロセスは、多くのライフサイエンス企業と同様でした。毎日何十もの契約書を作成し、複数の署名を必要としていました。時に、署名者は、ブラジルから中東、トルコ、アフリカに至るまで、お互いに何時間も時差のある場所にいました。また、他の企業と同様に、以下のようなマニュアルでの署名プロセスを採用していました。

  1. 通常は手書きで最終的な契約書のドラフトを作成

  2. 法律で定められた送信者が、最初の署名者に契約書を電子メールで送信

  3. 署名者は契約書を受け取り、確認・印刷し、手書きの署名を受けとるためにそれを送り返す

  4. 署名された紙の文書をスキャンしその後廃棄

  5. スキャンされた文書(PDF)を電子メールに添付し、送信者に送り返す

  6. 送信者は、その後、2番目の署名者に契約書を送信。このプロセスを、社内外のすべての署名が得られるまで繰り返す

近代化されていない合意・契約の業務プロセス

このプロセスは非常に時間がかかり面倒なだけでなく、元の送信者は契約のワークフローのすべてのステップを追跡する責任がありました。これは、契約書が誰に送られたのか、各署名の取得にどれくらいの時間がかかったのか、次の署名者は誰なのかを追跡して記録することを意味していました。これらのステップを追跡することは、特に郵便で送られた書類の場合には困難でした。

マニュアルでの作業となり、また各々から署名をしてもらう必要があることから、契約締結までに平均13営業日もの日数がかかるのは当然でした。ベーリンガーインゲルハイム社の法務チームは、この非効率的なプロセスの悪影響に気付き、行動を起こすことを決意しました。効率性、コスト削減、持続可能性を実現するために、テクノロジーを用いて文書プロセスを刷新することにしたのです。

電子署名がどのように役立つか

ベーリンガーインゲルハイム社は、文書のライフサイクルプロセスの修正に着手しましたが、根本的な目標は、新しい治療薬をより早く市場に投入することでした。この目標を念頭に置いて、彼らは、どのプロセスが最も遅れているかを突き止めるために、逆算して作業を行いました。

同社の法務・コンプライアンス部門は、医薬品の市場投入を迅速化するためには、署名プロセスをより俊敏にする必要があると判断しました。最大のボトルネックは、例えばブラジルのような海外にありました。弁護士は、たった1つの自筆署名を受け取るために何時間もかけて移動していました。

これは時間がかかるだけでなく、署名ワークフローの可視性にも問題がありました。すべての署名と承認には監査が必要となるため、可視性の問題はその後に影響を及ぼすことになりました。法務チームは、締結までに2週間から1ヶ月かかる契約書を一貫して作成していました。無駄を省くためには、プロセスをデジタル化する必要があることは明らかでした。

80カ国で5,000人のユーザーに利用されている電子署名

ベーリンガーインゲルハイム社は、小規模なプロジェクトとしてドキュサインの電子署名の使用を開始しましたが、わずか2年で80カ国以上5000人のユーザー数にまで拡大しました。これは、世界各国の規制を遵守しながら、ドキュサインがいかにグローバルで展開できたかを示す良い事例でもあります。同社は、複数のビジネス文書を準備する事業にはアメリカなどの国を、また医療サービス事業者との契約においてはブラジル、トルコ、アフリカ、中東の中小企業を選びました。これらの事業は、特に契約の数が多いこと、そして電子署名を導入することへの熱意が高いことから選ばれました。

また、ドキュサインは、ブラジルでスタッフを訓練するためにポルトガル語を話す人を雇いました。これはベーリンガーインゲルハイム社にとって必要かつ有益なことでもありましたし、ドキュサインにとっては顧客のグローバルなニーズの変化に対応する上で、いかに迅速であることが求めてられているか、という気づきにもなりました。

ドキュサインの電子署名を導入した後すぐに、ベーリンガーインゲルハイム社より以下のようなフィードバックを得ることができました。

  • エラーを88%減少

  • ターンアラウンドタイム(所要時間)を13日から3日に短縮

  • 生産性を6倍向上

また、当初は予期していなかったメリットもありました。

  • 弁護士が病院や施設に出向いて自筆の署名を取る必要性を排除できた

  • ブラジルにおいて、証人署名の必要性を排除することができた

  • ブラジルと中東地域の間でHCPプロセスが合理化できた

これにより、同社はドキュサインが世界中の従業員やパートナーに受け入れられ、採用することができるという証拠と自信を得ることができました。

電子署名法が最も厳しいドイツの企業にとって、世界的に電子署名を採用する決め手となったのは、ベーリンガーインゲルハイム社の企業法務部門が全従業員に対して、「ドキュサインの包括的なアプローチは、当社にとって安全であると考えられており、当社の取引の安全性、プライバシー、コンプライアンス、執行可能性を保証するものである」との声明を発表したことでした。

ベーリンガーインゲルハイム社のベストプラクティス

  • “センター・オブ・エクセレンス”と呼ばれる同社の従業員で構成される組織が設立されました。彼らは、ドキュサインのロードマップ、サポートモデル、イネーブルメント戦略、トレーニングの管理を担当するようになりました。最初のプロジェクトに携わった従業員は“センター・オブ・エクセレンス”のメンバーとして、他の従業員をトレーニングする役割を果たしました。

  • 全従業員がドキュサインの利用を希望する事業を提出できるプロセスを設定しました。Word文書のフォームを作成し、同社のウェブサイトに掲載、誰でも簡単にアクセスできるようにしました。申請が受理されると、ROIが最も高い順に優先順位が付けられます。 

  • 小規模で行ったテストプロジェクトの結果を踏まえ、同社は電子署名を超えた取り組みを開始しました。社内外の署名や承認のために顧客から提出された様々なビジネス文書にも取り入れるようになったのです。これらの文書には手紙やフォームが含まれており、その多くはテキストフィールドやドロップダウン、チェックボックスなどを使用して記入する必要がありました。 

  • トレーニング資料を作成し、社内ウェブサイトに掲載することで、従業員が説明書やガイド、リソースに簡単にアクセスできるようにしました。

  • ドキュサインというソーシューションとそれがどのように仕事にポジティブな影響を与えることができるかを認知させるために、全社的に"Discover Docusign Day(ドキュサインについて学ぶ日)"を設けました。

英文になりますが、ベーリンガーインゲルハイム社の事例の詳細、またライフサイエンス業界における最新のアプローチ及びDocusign Agreement Cloudによるコンプライアンス・プロセスの合理化に関する記事は以下よりご覧いただけます。

また、ライフサイエンス業界向けの記事も合わせてご一読ください。こちらは日本語になります。

まとめ

ライフサイエンス企業は現在、DX(デジタルトランスフォーメーション)を優先しており、特にグローバルに展開している企業ではその動きは顕著です。ベーリンガーインゲルハイム社は、プロセスをより効率化し、無駄を省きながら、法的規制やコンプライアンス法を遵守する必要性に気付きました。

最初は署名プロセスの最適化に着手しましたが、すぐに電子署名の技術がすべての文書承認プロセスを網羅できることに気付きました。その結果、契約締結までのリードタイムの短縮、生産性の向上、ペーパーレスによるグリーン化が実現し、監査のコンプライアンスも維持することができました。小さなプロジェクトはすぐにグローバルなイニシアチブへと成長し、何千人もの同社の従業員や顧客、パートナーの仕事を円滑にし、また負担の軽減にもつながりました。

※本記事はドキュサイン本社のブログ「Achieve Global Growth in the Life Sciences Industry」の抄訳になります。

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